魚の棚広報誌 うおんたな16号
学院生、魚屋さん体験
4:00
2月6日(日)起床4時。
魚の棚の魚利さんで職場体験をさせていただくのは6時からとのことなので、始発のバスも出ていないため1時間ほどかけて自宅から歩くことになった。大学の講義は9時から始まるので起きるのはつらかった。
6:00
6時ごろ魚利さんに到着。まだ空も暗く、寒い。魚利さんではすでに開店の準備が始まっていた。初めに挨拶をして、開店の準備の様子を見せてもらう。次々と車で運ばれてくる魚を降ろしていく。店の前に魚を陳列するための場所を作る方、陳列する為に魚をさばき準備をする方、てきぱきと準備されていて忙しそうなので写真を撮ることに専念する。
開店の準備も終わるころ、空は明るくなり始めていた。そこで待望の初仕事が! エビの殻むきである。店の方が手本を見せてくださるのだがこれがとても速い。こんなのは慣れだとおっしゃるので、何事もやってみるに限る、ということでエビの殻をむく。エビは氷水の中にあり、手が冷たい!
だが店の方がおっしゃる通りに、慣れてくると素早くむけるようになる。無言でエビをむき続ける、なかなか楽しい。
エビもむき終わり、次は配達について行かせていただけることに!
近場の配達は自転車を使われるようである。お話を聞く限りでは寿司屋が多く、その他に明石焼屋なども配達先にあるそうだ。
ふと気付くと朝、開店の準備をされていた若い方がいないことに気づき、尋ねると大阪や神戸まで配達に行っておられるらしい。配達先は自分でも名前を聞いたことがあるようなところで驚いた。
11:00
配達をし終え、客引きをしながら時計を見ると11時。店の方が昼市に連れて行ってくださるというのでお言葉に甘えることにし、新聞会からは三人がそれの見学に出た。
競り場は真剣勝負!
競り落とされた魚は急いで魚の棚へ
11:30
昼市は11時半から始まり、2時間ほど続く。
生きた魚をそのまま競りにかけて、落とされた魚は生きたまま店に運ばれ、新鮮なままお客さんの食卓に並ぶ。生きたまま店頭に並ぶのが当然だと思う方もいらっしゃるだろう。しかし実はこれは全国的にも珍しく、明石ぐらいだと聞いた。
それは魚の棚と昼市が行われている明石浦が近いため、迅速な運搬が可能な為、生きたまま店頭に並べることが可能だということだ。
びっくりしたのは昼市では漁師の奥さんも働いていた。これは男の人が夜中は漁に出ている為、この時間は寝ているそうだ。これぞ夫婦分業・家族助け合って生活をしている。
競り場では魚が次々と競り落とされるので、素人の僕たちにとっては魚が左から右へどんどん流されていくこと位しか分からなかった。流れが速いのはやはり鮮度を大切にしているからだと思う。手で魚を競り落とす金額を示すというのはなんとかわかった。競りで落とした魚はそのまま車に乗せ、店まで運ばれる。僕たちも昼市が終わったので、店に戻り客引きをさせてもらった。お客さんは1時ごろから3時ごろまでが多かったように感じる。いかなご漁が始まると更にお客さんが増えるそうだ。観光客のお客さんも多いらしく、外国の方もちょくちょく見られるらしい。店内で鯛をお造りにしていたので、カメラを携え写真を撮らせていただいた。聞いたところどうやらお客さんに頼まれたものらしい。とれたての鯛ですか?と質問したところ、どうやら違うらしい。と、いうのも魚は取れたばかりだと筋肉が引き締まっているため、お造りにする際は少し時間をおいてからしたほうが美味しいらしい。
夕 方
そして閉店間際になると魚が次々と無くなっていく。それに合わせて、空の容器が次々と洗われていく。この作業はお手伝いさせていただいたがやはり量が多い。容器のサイズも様々でそれだけ魚の種類も豊富なのだと改めて認識した。そして、夕方には作業を終え、職場体験は終了した。今回の職場体験をさせていただいた店の方にはお世話になりました。
依藤:魚利さんで普段ならできない体験ができたことがうれしい。特に昼市の光景はこのような機会がなければ見られることはなかっただろう。魚をあんなに近くでさばくのを見られたのもうれしかった。魚の棚は神戸学院からバスに乗ればすぐなので魚の棚について知っておくのも良いだろう。
中村:まだ日が昇る前から開店の準備を見させていただきましたが、やはり急に体験させていただくにはなかなか奥の深い仕事だと感じた。昼市の競りを見せてもらっていて、僕らのような素人には詳しいことまでは分からなかった。しかし、魚に対して真摯に向き合っていて、強い情熱を感じた。お世話になった魚利さんには、今でも元気バリバリの年配の方、主力の中堅の方、これからを引っ張る若手の方と各世代、魚利さんの伝統はこれからも引き継がれていくのだと思うと今回の体験は本当に有意義なものだったと思います。ありがとうございました。僕自身、お刺身などが好きなので絶対買いに行きます。
今号のミニコミ紙は私たち神戸学院大学の
新聞会・栄養学部メンバーが魚の棚を探検、取材してまとめました。
私たち学生の目線で見た「魚の棚」の魅力をご紹介します。ぜひ、読んでくださいね。
この度職場体験した
神院大 栄養学部学生の魚の棚 春の行楽 お弁当!
寒かった冬も終わり、いよいよ暖かい春の到来です。ポカポカ陽気にちょっと花見にでも行きたい気分!! 心も安らぎ、春風が気持ちよさそうですよね~。
でも…花見だけでは、何だか物足りな~い。そうだ!桜の下で美味しいお弁当があれば最高!
今回、栄養学部の私達は、桜の名所で知られている明石城公園の超~近くで、新鮮で美味しい食材が揃うこの「魚の棚」のお店をまわり、手作りの行楽弁当を作ってみました。
もちろん栄養学部ですので、このお弁当に秘められた、いろいろな栄養パワーを紹介します。これにチョット目を通してからお花見の準備を始めてみませんか!?
ポパイの卵焼き
ほうれん草には鉄分やβ-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは免疫力をアップしてくれる効果があります。
蛸の天ぷら
キャベツのコールスロー
キャベツにはビタミンKやビタミンCが豊富に含まれています。胃の粘膜の保護の効果があります。
豆ごはん
うすいえんどうは食物繊維、ビタミン類などが普通の白ごはんよりたくさん含まれています。
鱚の天ぷら
キスは脂肪含有量が少なく、良質のたんぱく質、ビタミンDを多く含む食材です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けてくれるので、カルシウムを多く含む食品と一緒に摂ることがオススメです。
季節の漬物
小松菜のお浸し
小松菜はカルシウムや鉄などのミネラル、ビタミンCやβ-カロテン、食物繊維などを多く含む緑黄色野菜です。小松菜は、栄養成分がほうれん草に似ていますが、カルシウムはほうれん草のおよそ3倍含んでいます。カルシウムは、骨や歯を丈夫にしてくれます。カルシウムが不足しがちな方(妊婦、成長期の子どもなど)や骨粗鬆症が気になる方は積極的に摂っていただきたい栄養素です。 また、鉄は貧血対策に良い栄養素ですよ。このお弁当にはキスの天ぷらがありますが、キスはカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDを多く含む魚で、カルシウムを多く含む小松菜との相性もいいですよ。
飯蛸の煮付け
ハリイカとキュウリの辛み和え
タコやイカなどの軟体動物にはタウリンという物質が多く含まれています。タウリンは、血中コレステロール値の減少、血圧の正常化、糖尿病の予防、肝臓の解毒作用の強化などに効果をもたらしますこの料理に含まれるお酢の酸味にはミネラル、カルシウムの吸収アップや消化を助ける効果があります。
八百屋さん
菅野青果さんへ!この季節お勧めの野菜は?「小松菜などの葉っぱ類ですね。他にも淡路産の菜の花やタマネギ。キャベツやうすい豆も春野菜として有名ですね」春はやっぱり緑の野菜が多いですね。緑の野菜をたくさん使ってお弁当を色鮮やかにしましょう!
天ぷら屋さん
なんだかおいしそうなものを発見!天ぷらの明石屋さん。え!?これが天ぷら?広島出身の私は衣の白い天ぷらしか知らなかった!この辺りでは練り物を天ぷらというんですね。たこの天ぷらがおいしそう!ぜひお弁当に入れよう!
魚屋さん
魚の棚といえばやっぱりお魚。まずはお魚をゲット!そこで来たのは滝野商店さん。春においしい魚はなんですか?「春は鱚や飯蛸。鱚は天ぷら、飯蛸は甘辛く煮るのがお勧めです。いかなごがこの季節有名なのは、春は獲れる魚が限られてくるからなんです。」それは初耳!いかなごがたくさん獲れるから有名なんだと思ってました!
漬物屋さん
お次はご飯のお供、お漬物をゲットしに畠田商店さんへ。春においしい漬物はなんですか?「春は菜の花というイメージがあるけど、漬物業界では菜の花は冬までなんです。春は、ウリや葉っぱ類の漬物がメインになります。」これも初耳!漬物業界では春・夏は軟弱野菜、秋・冬は根菜類なんだとか。では今回のお花見弁当には、『はっとりくん』を入れよう!はっとりくんは大根の漬物で、葉っぱも根の部分も食べれるそうです
お弁当箱屋さん
お花見弁当だからお弁当箱をゲットしなくては!でも魚の棚に容器屋さんはあるのかな・・・と思っていたら発見!パッケージプラザサンエイさん!食べ物のイメージの魚の棚に容器屋があるとは!種類も豊富、容器以外にも包装紙や紙袋もあって、お花見弁当に丁度良さそうなお弁当箱をゲットできました!
春には苦味を盛れ
ウドだけではなく、春先の野菜や山菜類は一般に苦みの強いものが多く(菜の花、ふきのとう、わらび)、こういうものを食すことにより、春の活動期に合わせ身体を順応させる働きがあるとされています。(人が生きていくうえで、環境に順応できるような体作りを自然の産物が助けてくれているのだとも言えます。)
魚屋さんに聞きました
魚利商店
●自分が初めてお店に立ったのはいつ頃でしたか?
魚屋で働きはじめたのは15歳、中学校卒業してすぐだから、だいたい53年前かな。
●その頃、魚の棚の様子どうでしたか?
昔の魚の棚は魚屋やかまぼこなどの加工品が多く、明石焼きのような店はなかった。
●一番活気付いたのはいつ頃でしたか?
昭和40年代と50年代に一番活気があった。今はスーパーに人が流れている。スーパーの捌いてある切り身が売れるので、魚の棚のものが売れにくい。
●ダイエーなどの百貨店やスーパーの
影響はありましたか?
昭和はスーパーの影響があり一番こたえた。他には、少子化や核家族の問題で消費量が減ったように思う。
●配達や調理といったサービスは
いつ頃から行っていますか?40~50年前から配達はやっている。調理はキスの天ぷらや刺身など、揚げたり切り身にするところまでやっている。
●明石海峡大橋ができて何か
変化はありましたか?
明石海峡ができて観光客は増えた。しかし、観光客は乾物や揚げ物は買うが、持ち運びができない生の魚は買わない。地元の人は昔に比べると買いに来ることは少なくなった。
●昔と今で生活の時間帯に違いはありますか?
昔は朝4時から魚を卸していたので朝早かった。そこから夜7時頃までなので、一日14~15時間は働いていた。今は朝6時に卸売り市場へ出向き、その後すし屋に配達する。10時頃に店に戻り、昼になると昼市に行く。午後は昼市で買ってきたものをまた店で売る。
●大東さんから見て、若い人(世代)は
どのように映っていますか?
一生懸命働いているし、これからも頑張って欲しいと思う。彼らが頑張ってくれるからこそ仕事も店も成り立っている。
かねき
●店はいつからしてるんですか?
親の代の前は、別の方のお店でした。その店を親が継いだので、正確には年数は分からないです。
●店主になった時の心境は
どんな感じでしたか?
もともとやりたかった仕事だったんで。
●仕事のやりがいは何ですか?
自分が良いと思って仕入れてきたものを売るんだけど、その良い物を安く売れたときが嬉しいね。メインは地元の鮮魚を仕入れてます。
●昔と比べて魚屋が減ったように 思うのですが?
目に見えて減ったわけじゃないです。
●お店の特徴は何ですか?
明石の魚しか扱わなかったりする店もあるけど、うちの店では明石の魚はもちろん全国のよい物、養殖物や輸入物、冷凍物とかいろんな産地のものを揃えています。
●お客さんにはどんなサービスを
していますか?
お客さんに言われたことには大体応えてるよ、天ぷら用にしてくれって言われたらそれように切ったりもしています。
●将来どのような店に していきたいですか?
やっぱりお客さんに喜んでもらえる店にしたいね。
ただ、来てくれるお客さんも昔と変わってきて、それこそ魚も見たことないような人もいるね。
●若い世代の方なども 多いということですか?
そうやね、どう食べていいかわからん人も多いからどう調理したらいいか教えてあげたりもしてるね。
●藤原さんたちの世代から見た上の 先輩方についてはどう思われますか?
尊敬してますよ。守っていかなあかんところっていうのはもちろんあるし、逆にこれは今の時代あかんやろうっていうのもやっぱりあるから。昔は鯛一匹まるまる売り出してても売れるような時代やったけど、今はそんなんじゃ売れへん。最低でも鱗取ったり切り身にしたり。例えば、小魚6匹売ってても、お客さんが3匹がいいって言えばじゃあ3匹でいいよっていう売り方になってきてる。調理しなかったらこの値段でいいよとか、これだけ買ってくれればこれだけ負けとくよっていうのもあるけど、あれはあかんね。何匹って言われたらバラ売りでうる。そこが上の世代の人たちとの違いかな。魚の棚でもスーパーの店と同じように売ってる店も出てきて、確かにそのほうが若い人も買ってくれる、でもそのうち味付けもして出すようになって、そうなると魚の棚らしさがなくなるというか、どっかで止めあかんなと思うな。そこが悩みどころかな。
●明石海峡大橋ができて観光客が
増えたみたいですが、
お客さんは地元の方が多いんですか?
いや、観光客の方が多いんちゃうかな。ただ買ってくれるかどうかが問題で、生ものはあんまり買ってくれへんね。
●周囲の変化で影響があったことはありますか?スーパーが周りにできてきたことは影響がでてるね。
●それは悪い意味でですか?
そうやなあ、だんだんあかんようになってきてる。
●今はもうないですが、ダイエーなんて
特に影響があったのでは?
うーん、ダイエーさんはまた別で、ダイエーがあったからこっちの魚の棚までお客さんが来てたっていうのはあるね。なんでか2号線またいでお客さんが来てくれへん。
●お勧めの商品はありますか
サワラの味噌漬けがおすすめかな、バカ売れです(笑)
松谷商店
●お店はいつ頃からやられているのですか?
江戸末期の古地図に、松谷庄蔵という名前があり、そこから「松庄」となったわけです。江戸末期にはあったかなりの老舗ということです。
●松庄さんはインターネットなどを使って積極的にサービスを行っていますが、どのような経緯でやることになったのでしょう?
わりとそういうことは言われるんだけど、僕の中でこれはオマケ的なもので、僕の一番守りたいものは、もっとベーシックな部分やねん。インターネット云々は一つのツールでしかない。明石の魚をPRすること明石の魚を売りたい、この一言に尽きますわ。
●明石、魚の棚の魚は、他のスーパーなどの魚と何が違うのでしょうか?
鮮度ですわ。明石では昼に競りがあって、魚の棚ではとりたてのものが店頭に並びます。鯛とかタコのようなブランドはもちろん、太刀魚や鯵といった大衆魚でもおいしく刺身で食べられるんです。これは魚の棚が競り場と隣接しているからです。
●お客さんは以前と今では変化がありますか?
歴然ですわ。10年前なら調理しなくても飛ぶように売れたからね。それが今は太刀魚でも鯵でも、刺身やったら刺身用にしないとまず買ってくれないですわ。でもそこまでやらないと売れないし、それがニーズなんやろね。
●商店街にくるお客さんの求めるものは変わってきているのでしょうか?
お客さんが求めてるものって意外とないな。こっちから提案したものを受け入れてくれるかどうか。だから僕は最初の話しに戻るけど、僕が売りたいのは『明石もん』やねん。
●以前と比べ、今魚屋はどういった状況にあるんでしょうか?
厳しい状況ですが、その原因は何かというと、よく言われる景気が悪いということではない。何故なら景気が悪いと言っても世帯が食にかけるお金自体は減るどころか上がっているから。生活様式の変化もあるでしょうね。
●現在の魚の棚は厳しいとありましたが、具体的にどういった部分が厳しいのでしょうか?
考えられるのは、やはり世相を反映しているということ。それは魚の棚の商店街も例外なく影響は受けてる。それで僕が提案したいのは、スローライフ、スローフードということ。つまり買い物、料理を作る、食べる過程で楽しむいうこと。家族の中でも手間暇かけておいしい料理やったら楽しい団欒にならへんかな。
●魚屋さん同士で棲み分けをされているんですか?
お互いに競い合うことが大切なんですわ。競合店には、負けるかという気持ちで、互いが頑張ってレベル上をげていけばいい。誰だって負けたくないじゃないですか、競い合うことで誰が一番得するかといえばお客さん。それが魚の棚の一番良いところです。またその環境が魚の棚にはあると思う。
ハリイカとキュウリの辛み和え
【材料】
ハリイカ・・・1はい
キュウリ ・・・1本
カシューナッツ ・・・20g
生わかめ・・・50g
調味料(A)
酢 ・・・大さじ1
しょうゆ・・・ 小さじ1
ごま油 ・・・小さじ1/2
調味料(B)
しょうゆ・・・ 大さじ1
ごま油・・・小さじ1
柚子コショウ ・・・少々
砂糖 ・・・小さじ 1/2
生姜汁・・・ 少々
【作り方】
① イカは、下ごしらえをし、一口大に切る。
② キュウリは、塩もみをしてから塩を洗い流し、麺棒などでたたいて全体に割れ目を入れ、一口大に乱切りする。
③ カシューナッツは、フライパンできつね色になるまで炒める。
④ わかめは水洗い、水切りをして一口大に切り、Aの調味料で味付けする。
⑤ ボウルにBの調味料を全て入れ、イカとキュウリを和える。
⑥ お皿に、④のわかめ、⑤のイカとキュウリを盛り付け、カシューナッツを散らす。
ダコ(飯蛸)マダコ科マダコ属
イイダコという名前の由来は、体内に卵を蓄えているのを米粒にたとえたところからきています。
イイダコの雌には、胴の中に米粒に似た卵がぎっしりと詰まっています。一般的に雌のイイダコの方が美味しいと言われますが、「飯」のない「すぼけ」と呼ばれる雌の方も、煮付けの材料として用いても美味しく、価格が安いのが魅力です。日本で食用にされるタコには、ミズダコやマダコなどがありますが、イイダコが一番小さいです。
イイダコは、瀬戸内海などの内海で、潮の流れが緩い辺りの砂や泥を生活の場としています。
砂や泥の海底にはあさりなどの二枚貝が豊富にあり、これらを主食としています。
タコの筋肉繊維の繊維には一定の方向性がなく、多方向に絡み合うように並んでいます。また、
繊維そのものに弾力があり、これがタコ特有の歯ごたえを生み出しています。この筋繊維は加
熱による収縮が大きく、硬くなりやすいという特徴があります。
タコに含まれる成分で特徴的なのはタウリンという物質で、コレステロールの増加を抑える作用があります。
また、イイダコはマダコに比べて、鉄や亜鉛、銅、レチノール、葉酸を多く含んでいます。カルシウムが不足しがちな方(妊婦、成長期の子供など)や骨粗鬆症が気になる方は積極的に摂っていただきたい栄養素です。また、鉄は貧血対策に良い栄養素ですよ。このお弁当にはキスの天ぷらがありますが、キスはカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDを多く含む魚で、カルシウムを多く含む小松菜との相性もいいですよ。
タコをやわらかく調理する方法
●大根でたたく(大根は表面がつるつるで、 タコの皮をはがしてしまう危険が少なく、 また、重さの割に直線的な衝撃がタコに 加わらないので繊維を断ち切ることなく やわらかくできる)
●火加減は弱火でことこと。強火は禁物!!
キス(鱚)スズキ目キス科
キスと言うと、シロギスとアオギスがありますが、一般的にはシロギスのことを言います。キスは、漢字で「鱚」と書きますが、めでたい祝儀魚に数えられます。
キスは、白身の魚で、脂肪が少なく、淡泊な味です。刺身、昆布じめ、塩焼き、南蛮漬け、マリネ、天ぷら、フライ、酢の物、吸い物などがあります。また、上等の干魚にも加工されます。キスには脂肪分が殆ど含まれないので、油を使った天ぷらは、上品な味で食感が良いです。
また、キスの水分含有量は約80%もあり、料理する前に食塩水で処理した方が身肉に弾力性が出て美味しくなります。
東日本大震災義援募金をお願いしております
魚の棚でも何か出来ないかと模索し、義援金の募金活動をさせていただくことになり実施しております。皆様方の温かいご協力お待ち申し上げております。義援金募金設置場所●魚の駅前