魚の棚広報誌 うおんたな25号

魚の棚のお店の看板娘さんをご紹介します

和田 悠希 さん
魚の棚中央に位置する「あかし多幸」さんで毎週土曜日の昼から閉店まで働かれています。
趣味を尋ねると音楽を聴くことと可愛い笑顔で答えて頂きました。
いつも「不撓不屈」を心に秘め、何事にも諦めない強い心を持って行動されている素敵な女性です。
残念ながら来年からは歯科衛生士として社会人になられます。
後少しの期間ですが精一杯頑張っていくそうです。

●お客様に思うこと
お客様が多幸に来て良かったと思って頂けるよう、いつも笑顔で接客をするよう心掛けています。
皆様のご来店お待ちしております。

あかし多幸

明石市本町1丁目5-17  TEL 078-911-2241
<営業時間>
月・火・水 11:00~18:00
木   11:00~16:00
金・土・日 11:00?20:00
但し、営業時間内においても売り切れの場合、
営業を終了させて頂きます。
定休日 無休(不定休あり)

モダンな造りのおしゃれな店内は、ゆっくりくつろげる空間が広がっています。
自慢の明石焼(15個600円税別)のほかに鯛茶漬など、こだわりぬいた逸品メニューが勢揃い。
週末になると順番を待つ人で店頭が賑わいます。

豊富な餌と明石海峡の激しい潮流に揉まれて育つ明石ダコは足が太く身が引き締まり、しっかりとしたタコの味が魅力です。
一番タコの美味しい時期は、「麦わらダコ」と呼ばれる七月?八月(お盆まで)、また、「寒ダコ」と呼ばれる十一月頃のタコが大きく人気です。
魚の棚では魚屋で売られている生のタコだけでなく明石焼、干しダコ、うま煮等、タコを加工した商品が多く売られています。
今回の特集では、タコの旬である七月下旬に、漁船に乗って一日取材をしました。

京本幸雄氏
慎二さんの親父さん(70歳)
京本慎二氏
(45歳)

タコ漁取材日記

取材当日(7月29日)、夜9時過ぎ、編集者の宮本と私(松谷)の二人で漁船に同行させてもらうため明石浦漁港にむかった。
間もなく京本さん(明石浦漁師)親子がやってきて、直ぐさま出港。幸い海は穏やかベタ凪というやつだ。それでも素人にとっての長時間の船は過酷であろう。しかもこの日は宮本も私も仕事を終え仮眠をとる間もなく船に乗り込んだから、船酔いや睡魔に襲われないだろうかと心配は尽きなかった。
 9時半、漁船は港を出港、まずは漁場である二見の沖合へむかうこと約1時間。船のドドドというエンジン音で人の声も聞こえない、そんな環境下でこれから漁が始まる。

我々は船の先端に座らせてもらうことに。すると親父さんが「これ敷いときやっ」と、座布団を出してくれた。ガサツなイメージがある漁師だが、意外と親切?邪魔にならないだろうかと心配していただけに少し安心した(笑)。

ポイントに着くと、いよいよ漁の開始。漁師にとってはここからが本番。
網を海に沈め、ゆっくりゆっくりと曳くこと約一時間。そして網を引き上げ、獲れたタコを大きさ毎に船底の活洲に入れる。
一回の網でドッサリ魚が獲れるのかと思いきや意外と少ない気がした。それでもこれは多い方なんだそうだ。何度も繰り返すことによってまとまった数になるそうだ。
そして、網を海に沈め、またゆっくりと網を曳く。この一連の作業を約12時間、翌朝10時頃まで何度も繰り返される。ようやく帰路につき再び明石浦に戻ったのはお昼の11時過ぎ、セリ場では既に昼市が行われていた。日が昇ってからの漁はとにかく暑さとの戦い。

乗せていただいた日の水揚げは約400キロ。もっとも漁師として嬉しいのは、獲れるピークがあるよりも、細く長く獲れるほうが嬉しいそうだ。水揚げされたタコは、一旦、組合(漁協)が買い取り、売りさばかれていく。これが明石浦のシステムである。このことで相場を安定させる。

この日は徹夜となった。途中、何度か睡魔に襲われたが幸い船酔いはしなかった。我々の様な素人はたったの一日で早くも限界、しかも漁は我々がテレビを見るか一杯やって寝ている時間にも行われる。これを毎日、繰り返すのは、なんとも気力と忍耐力がいる。いくら仕事とはいえ頭の下がる思いだった。

スーパーなどでは外国産の茹でダコが売られている。家庭で塩もみをしたり茹でる手間をかけなくてよい。現代は便利性や安さが重視されているが、それもライフスタイルの変化の中、当然のことかもしれない。しかし、漁師の仕事ぶりをそばで見せていただくと、この様にして獲られた魚だからこそ感謝の気持ちを込めて、地元の魚を扱わなければと思う。産地であると同時に消費地でもある「魚のまち」明石。この地元の魅力、財産を漁師、お客さんと共に永く大切にしていく為に、私たち商人は情報を発信していく役目があると改めて感じることができた。
                                                          文:ミニコミ編集委員長 松谷佳邦

漁師の姿

この度、タコ漁の船に乗せていただいたのは、京本さん親子の漁船(底網漁船)。
息子さんは、小学校の卒業アルバムに漁師になりたいと書き、高校を卒業してすぐ夢をかなえたという。
「今も漁師の仕事が面白い、値打ちがある。自分よりたくさん獲る漁師がいるという事は、まだまだ工夫すれば獲れるチャンスがある、そのチャレンジ精神に面白さを感じる。仕事は楽しんでなんぼのもんやというのが基本である。私は命を懸けた漁師という職業に誇りを持っている。」と嬉しそうに語ってくれました。親父さんは中学を出てすぐに漁師になった漁師家系の一家である。
若い頃は弁当持参でガツガツ食べていたが、今は、夏の暑さもあっておにぎり2個ほど持って行き、水分補給の為、水を2リットル持って行くそうだ。

週2日休みで時化(しけ)以外の日に漁に出る、これが漁師の仕事である。
明石浦漁協は、特殊な港で全国の港でも共働きの漁師の家庭が多く奥さんも働いている。夫が夜、漁に出ている間は奥さんは寝る。昼間は奥さんが港(漁協)で旦那さんが獲ってきた魚を競りにかける準備をしている。その間、夫は寝ているといった生活を送っているそうだ。京本さんから奥さんも共に働いてくれる事は、本当にありがたいと本音を聞くことが出来た。

漁師の苦労

明石浦の漁にはルールがある。港を出て帰ってくる時間が決められている。一人で行く漁は13時間以内、二人の場合は14時間以内となっている。めいっぱいぎりぎりの時間まで漁をしている漁師も多い。お金儲け以外に、他の漁師に負けたくないという張り合いの精神も多分にある。タコ漁は夜からが基本、夜の海は暗黒、 慣れるとそうでもないが寂しい時もあるそうだ。

船はGPSを見ながらポイントを定めて、この潮の流れの時には、この場所でどのような過去の実績があったのかを頭の中に叩き込んでいる。これをもとに浜の情報を参考に場所を決め、自分のやりたいポイントに出かけて行く。

この日は、二見港に近い浜寄りで深夜は漁を行い、夜が明けるともっと沖に出て漁を行った。不思議なもので、夜には獲れるのに昼には獲れない。夜には獲れないのに昼には獲れる。場所によって時間帯によって獲れるところが異なるのだ。本当に経験がものをいう仕事である。

今年のタコ漁

京本さんの底引き網の漁は、この時期はタコ漁を行っているが、一年中タコ漁を行っているわけではない。季節に応じて、アナゴ・目板ガレイ・ガシラなど、獲る魚を変えるようである。京本さんの船は、なんと今年初めてタコ漁に出たとのこと。
タコ漁はいつごろから出られたのかを尋ねてみると「7月からタコがおらへんようになるまで」。1?3月はあまりタコは獲れないが、それ以外の月では年中タコが獲れるようになった。「これも気候の変化があるかもしれない。」「ほんまは江井ヶ島とか藤江の沖でもおんねんけど、今年は出てこんと終わってしまう。ほんまに多かったら海岸沿いにずーっとおる。」そういう年もあるそうだ。漁師として、そこに海があり、そこに魚がいることに感謝したいと語ってくれた。

最後に…

最後に漁師として消費者の皆さんに思うことを聞いてみた。スーパーで販売されているタコの多くはモロッコ産が多く、明石ダコは少ないのが現状。しかし、魚の棚商店街の魚屋さんの多くでは店頭に並んでいる。ぜひ、明石ダコの美味しさを味わってほしいと語ってくれた。

明石の魚はほんとに凄い…

今まで体験したかった「タコ漁」に同行して改めて明石の魚の魅力を感じることが出来た。私(宮本)は子どもの頃、育った町は明石ではない。そこでは魚は嫌いな食べ物のベスト3に入っていた。しかし、働き始めて明石に拠点を移したとき、魚の美味しさに驚いた。魚の身の甘さとぷりぷり感、今では大好物になりました。タコだけではなく、ぜひ、明石の魚を食べていただきたいと思います。その美味しさを知れば明石の魚のファンになること間違いなしです。

明石ダコが一番!

全国に名を知られる「明石ダコ」。水揚げ量だけでなく品質もピカイチ。味の良さから日本一と言われています。その理由は、明石海峡の潮流と餌の豊富さ。明石の海は流れが速く、厳しい環境下で育つタコは筋肉質。その表現として魚の棚では「明石のタコは立って歩く」と言われるほどです。身が引き締まって、食べるとコリコリとした歯ごたえが特徴です。

明石ダコを買うなら魚の棚商店街。

もちろん魚の棚以外でも手に入れることが出来ますが、魚の棚をおすすめするにはちゃんと理由があるのです。魚の棚は港から近いという好立地、獲れたての活きの良い明石ダコが最も早く店頭に並びますので、鮮度が抜群なのです。

家庭でできる明石ダコの簡単塩もみ術。

一、頭をひっくり返して、破らないように気を付けながらスミ袋を取り除きます。
   (魚の棚の鮮魚店では、この作業をサービスでしてくれるお店もあります) 

二、塩(安いものでOKです)をたっぷり使い、金ざるに擦り付けてから水で洗い流し、
   ぬめりをしっかり取り除いてください。
   これで塩もみ完了です。

茹でダコを作る場合も簡単。

一、火の通りを均等にするために、足の付け根に切り目を入れるか、
   足をバラバラにする。

二、たっぷりの沸騰したお湯で茹でます。

三、茹で具合はお好みですが、完全に茹で上がる手前がおすすめです。

四、茹で上がったら氷水で締めるのも大切なポイントです。

タコ本来の旨味を味わう。

塩もみした明石ダコをぶつ切りにし、シンプルに塩で食べる。
噛むほどにタコ本来の旨味が味わえる逸品です。

この度は第二神明道路の明石サービスエリアさんから
明石ダコを使った、ご家庭でも簡単に作れるレシピを教えていただきました。

明石海峡 たこ玉丼

≪ご用意していただく材料≫
たこのやわらか・・・50g
麺つゆ(市販の物で丼用に割った物でOK)・・・90cc
卵・・・2個
玉ねぎスライス・・・10g程度
とろろ・・・40g
ご飯・・・260g
みつば・・・適量
もみのり・・・適量

 ●手順●
①たこのやわらか煮を1cm幅に切ります。
②丼用の鍋で、玉ねぎスライス・麺つゆ・たこのやわらか煮をいれ、火にかけます。
③ 出汁が沸いたら、みつばと荒目に溶いた玉子を入れ、フタをする。
④ 玉子の表面が白くなってもしばらく(約10秒ほど)そのままにして火をきる。
⑤丼にごはんをよそおい真ん中を平らにし、とろろをのせる。
⑥その上に鍋の具をのせて、もみのりをちらせば完成。

蛸とトマトのオイルパスタ

≪ご用意していただく材料≫
ボイル蛸・・・蛸足1/2本 一口サイズにカット
玉ねぎ・・・1/2個 あらみじん切り
人参・・・1/4本 あらみじん切り
ニンニク・・・1かけ 包丁でつぶす
トマト・・・1個 角切り
オリーブオイル・・・大さじ3
塩、こしょう・・・適量
鷹の爪・・・適量

 ●手順●
①オリーブオイルにニンニクを加え香りを出す。
②香りがでたら、玉ねぎ人参を加え塩を軽くして、しんなりするまで炒め、蛸を加えトマトを入れ軽く煮る。
③パスタをボイルし、パスタ湯を少し加え、 塩コショウで味を調え盛り付ける。
④仕上げに好みでオリーブオイルをかける。 

蛸とジャガイモのレモンオイル炒め

≪ご用意していただく材料≫
ボイル蛸・・・1本 1口サイズにカット
ジャガイモ・・・小さめ2~3個 皮をむき蛸と同じサイズにカット
レモン・・・1個 絞る
トマト・・・1/4個 角切り
サニーレタス・・・1枚 大き目にちぎる
塩、こしょう・・・適量
オリーブオイル・・・適量
ニンニク・・・かけ 包丁でつぶす
砂糖・・・少々

 ●手順●
①ジャガイモは、塩を入れ水からボイルし、水気をきっておく。
②オリーブオイルとレモン汁を3対1であわせ、砂糖少々、塩コショウで味を整える。
③オイルにニンニクを加え香りをだし、香りがでたらニンニクを取り出す。
④香りのついたオイルに蛸、ジャガイモを加え、塩コショウをしてトマトを加え、レモンオイルを入れて少しとろみが出たら、 レタスを引いた皿に盛り付ける。好みで、オリーブオイルをかける。

第二神明道路明石サービスエリア明石食堂・神戸食堂
明石市大久保町松陰1126-50
第二神明道路明石サービスエリア内上下線共通
24時間営業・無休 
TEL078-935-3333

第二神明道路(高速道路)にある唯一のサービスエリア。
上り線エリアと下り線エリアが隣り合っているため、人の往来が自由に出来る珍しいサービスエリアのレストランから明石ダコを使ったレシピをご紹介いただきました。