魚の棚広報誌 うおんたな24号

魚の棚のお店の看板娘さんをご紹介します

井筒 絵美子 さん
勤務されているお店は日用品・化粧品・食料品を販売されている大原商店さん。
そこで井筒さんは化粧品販売を担当されています。
趣味は、ピアノ演奏、読書、ウォーキング。座右の銘は一期一会。
「今日という日は残りの人生の最初の一日。」という言葉を大切にされているそうです。

●お客様に思うこと●
当店へ来てくださるお客様の中には、私の生まれる前からずっと通い続けてくださっているお客様が沢山いらっしゃいます。他にも化粧品メーカーやお店も沢山ある中、当店を選んで来てくださる方にいつも感謝の気持ちでいっぱいです。お客様が綺麗になって笑顔で帰っていただけるとすごく嬉しく感じます。

大原商店
明石市本町1丁目1-12 TEL078-911-2642
<営業時間>
9:00~19:00
定休日:なし(1月1日~3日・8月16日)

カネボウ化粧品・日用雑貨をはじめ、ロウソク各種・線香・食材品まで店内所狭しと数多く取り揃えております。そしてお店の奥ではエステコーナーを設け、お客様におくつろぎ頂いております。
また、いかなごの時期には、くぎ煮づくりにかかせない、粗目・醤油・タッパー・ザルなどもお買い求め頂けます。

いかなごと魚の棚

 現在の「くぎ煮」という食べ方が登場する以前は、いかなごの新子(稚魚)は、漁師は釜上げ、干して甘辛く味付けした保存食「げんごべい」などにして食べられていました。
 魚の棚はもともと卸売市場としての機能がありましたが、小売り(一般販売)のお客さんが増えたころから、塩干物店や鮮魚店で釜上げを積極的に販売するようになりました。新子の他にふるせ(親魚)の釜上げも好まれ、ふるせを醤油でつけ焼きにして、巻き寿司の具にしていたそうです。

くぎ煮ブーム

 今のように家庭で作るくぎ煮が定着し始める前にも、くぎ煮を作っている販売加工会社はありましたが、知名度は低かったようです。しかし、漁協の婦人部の皆さんが主婦向けの料理教室で普及に努めたことや、「コープこうべ」も普及活動に乗り出したことで、家庭料理として人気が出てきました。
 また、阪神淡路大震災の後、被災した神戸の人たちがお世話になったお礼として、瀬戸内独自の味として「くぎ煮」を全国各地の知人へ送ったことが、爆発的な人気へと繋がっていきました。 家庭でくぎ煮を作る文化が定着すると、既存品のくぎ煮も需要が広がり、魚の棚でもいろいろなお店が、独自の個性を持ったくぎ煮を販売されるようになりました。また、そのくぎ煮を作る時に使う道具や、材料まで取り扱うお店も増えました。

いかなご漁は鮮度が命

 いかなごは「船曳網」という漁法で獲られます。200?300mもある袋状の網を2艘の船でゆっくりと引っぱり、泳いでいるいかなごを群れごと獲ります。袋の先は着脱式になっていて、もう一艘の運搬専用船に獲れたいかなごを揚げ、港へと運ばれます。朝6時ごろ、日の出と共に漁場に網を入れ、11時ごろに上がるまで、何度も水揚げされ沖と港を何往復もします。良質なくぎ煮を作るにはいかなごの鮮度がかかせないからです。
 どこのポイントに船を出し、どの向きに走らせるか、そこが漁師の腕の見せ所です。しかし、自然が相手、技術はあってもいかなごがいなければ意味もなく、毎日が勝負の連続だそうです。

いかなご漁

 本当は港の目の前で獲れたら短時間に何度でも往復をして、より鮮度の良いいかなごを港に運べます。しかし、自然が相手なので、どこにいかなごがいるかわかりません。近くにいなければ足を延ばして獲りに行くしかありません。
 しかし、漁場にはルールがあって、各漁協で漁ができる区域が異なっています。その日その日によって獲れる所が異なっているので大変です。その漁場では、場所の取り合いが大変で、長い網が絡まってしまったら、その日の漁は出来なくなるわ、網代はかかるわ大きな損失に繋がってしまうのです。漁師にとってはまさに仁義無きいかなご戦争なのです。

日曜日は禁漁

 数年前から、いかなごの「禁漁日」が、大阪湾・播磨灘では日曜日に統一されました。どうしても週末に炊かれる方が多く、土曜日に買い求められる人が集中し、お店の前に行列ができるのが現状です。

●かなぎ・・・5cm以上の新子を干したもの
●げんごべえ・・・ かなぎを炒って甘辛く 味付けした保存食

1.味よし西店 <珍味・塩干物>
【TEL】 078-911-1190
【営業時間】 9:00~18:00
【定休日】 不定休

2.喜 楽 <飲食店(和食)>
【TEL】 078-911-2791
【営業時間】 11:00~15:00/17:00~21:00
【定休日】 毎週火曜日(月1回連休有り)

3.大黒屋商店 <珍味・塩干物>
【TEL】 078-911-2283
【営業時間】 9:00~17:30
【定休日】 毎週木曜日(3月は無休)

4.魚梅商店 <鮮魚>
【TEL】 078-911-2817
【営業時間】 10:00~17:00
【定休日】 毎週火曜日

5.林義治商店 <珍味・塩干物>
【TEL】 078-917-1459
【営業時間】 10:00~18:00
【定休日】 月2回火曜日(3月は無休)

6.白川南店 <珍味・塩干物・天ぷら>
【TEL】 078-911-2689
【営業時間】 9:00~16:30
【定休日】 不定休

7.N°123 <マフィン>
【TEL】 078-911-3361
【営業時間】 10:00~17:00
【定休日】 毎週木曜日

■いかなごのマフィン

8.金引青果 <青果>
【TEL】 078-911-1925
【営業時間】 9:00~18:30
【定休日】 毎週木曜日

■土生姜・中ザラメ・ゆず・山椒

9.内海商会 <鮮魚>
【TEL】 078-915-1225
【営業時間】 8:00~18:00
【定休日】 月2回いずれかの水曜日

10.Rosso <飲食店(イタリアン)>
【TEL】 078-917-0333
【営業時間】 11:30~14:30/17:30~23:30
【定休日】 不定休

■いかなごのピザ

11.蓬莱焼魚店 <焼鯛・味噌漬>
【TEL】 078-912-6917
【営業時間】 9:00~16:30
【定休日】 毎週火曜日

12.D.S催事館 <100円均一・日用品>
【TEL】 078-917-5406
【営業時間】 10:00~18:00
【定休日】 無休

■ザル・鍋・調味料・タッパー

13.林喜商店 <焼あなご>
【TEL】 078-911-3378
【営業時間】 10:00~17:00
【定休日】 毎週木曜日

14.松 庄 <鮮魚>
【TEL】 078-912-3872
【営業時間】 8:00~16:00(イカナゴ期間のみ)
【定休日】 毎週木曜日(但しイカナゴの期間無休)

15.味よし本店 <珍味・塩干物>
【TEL】 078-911-1190
【営業時間】 8:00~19:00
【定休日】 不定休

16.明石みつぼし <飲食店(家庭料理)>
【TEL】 078-911-3381
【営業時間】 11:00~15:00/17:00~21:00
【定休日】 毎週日曜日

■いかなご新子丼・フルセの天ぷら

17.梅 杏 <飲食店(うどん)>
【TEL】 078-911-8855
【営業時間】 11:30~22:00
【定休日】 毎週木曜日

18.ソアラ <飲食店(喫茶・スナック)>
【TEL】 078-913-6213
【営業時間】 8:00~23:00
【定休日】 毎週日曜日

19.海 路 <鮪屋>
【TEL】 078-918-0011
【営業時間】 9:00~17:00
【定休日】 無休

20.ハセ蒲鉾 <蒲鉾・天ぷら>
【TEL】 078-913-0345
【営業時間】 9:00~17:00
【定休日】 不定休

21.浪 花 <飲食店(寿司)>
【TEL】 078-917-5700
【営業時間】 11:00~17:00
【定休日】 毎週木曜日・第3水曜日・不定休有

22.明石屋 <蒲鉾・天ぷら・くぎ煮>
【TEL】 078-911-4637
【営業時間】 9:00~18:00
【定休日】 毎週木曜日

23.たかはしや <海産物・塩干物>
【TEL】 078-911-2271
【営業時間】 9:00~17:00
【定休日】 無休

■山椒・生姜

24.座古海産 <珍味・塩干物>
【TEL】 078-911-3159
【営業時間】 9:00~17:30
【定休日】 毎週木曜日

25.かねひで <飲食店(明石焼)>
【TEL】 078-912-2194
【営業時間】 11:00~15:00(土日祝は17:00まで)
【定休日】 毎週木曜日・第2水曜日

26.たなか酒店 <酒・調味料>
【TEL】 078-912-2218
【営業時間】 10:00~19:00
【定休日】 毎週木曜日

■あかし魚笑(調味料)

27.滝野商店 <鮮魚>
【TEL】 078-912-2216
【営業時間】 8:30~18:00
【定休日】 毎週木曜日(但しイカナゴの期間は無休)

28.味 正 <珍味・塩干物>
【TEL】 078-911-1190
【営業時間】 9:00~18:00
【定休日】 不定休

29.まる真 <鮮魚>
【TEL】 078-914-9221
【営業時間】 9:00~18:00
【定休日】 毎週木曜日・不定休あり

30.大原商店 <化粧品・日用品>
【TEL】 078-911-2642
【営業時間】 9:00~19:00
【定休日】 1月1日~3日・8月16日

■水あめ・ザル(ステンレス)
  中ザラメ・白ザラメ
  タッパー・銀皿・クルミ
  その他調味料

31.こだわりの和洋食器 雅 <食器・雑貨>
【TEL】 078-912-4476
【営業時間】 10:00~17:00
【定休日】 毎週木曜日(3月・4月無休)

■「マイデリカキーパー」
  ガラスの密閉容器
  中身がよく見え、
  重ねて収納できます。

32.パッケージプラザ サンエイ <包装資材>
【TEL】 078-911-3074
【営業時間】 10:00~18:00
【定休日】 毎週日曜日・祝日

■包装用紙・パック・袋類

33.カネユ青果 <青果>
【TEL】 078-911-6767
【営業時間】 9:00~18:00
【定休日】 毎週木曜日(3月第1・2・3木曜日は営業)

■土生姜・ゆず
  レモン・山椒佃煮

34.魚利商店 <鮮魚>
【TEL】 078-911-2946
【営業時間】 8:00~17:00
【定休日】 毎週月曜日・第3火曜日(3月・12月は営業)

35.兼一水産 <珍味・塩干物>
【TEL】 078-912-3715
【営業時間】 8:30~18:30
【定休日】 不定休

36.魚 常 <味噌漬>
【TEL】 078-911-4112
【営業時間】 9:00~18:00
【定休日】 毎週木曜日

37.黒谷商店 <味噌漬>
【TEL】 078-911-2037
【営業時間】 8:00~18:00
【定休日】 毎週木曜日

38.味よし東店 <珍味・塩干物>
【TEL】 078-911-3180
【営業時間】 9:00~18:00
【定休日】 不定休

39.東田促成青果 <青果>
【TEL】 078-911-4676
【営業時間】 8:00~18:00
【定休日】 毎週木曜日

■いかなごの鍋

40.レストランぱいんどう <飲食店(家庭料理)>
【TEL】 078-917-0175
【営業時間】 11:30~16:00
【定休日】 不定休

其の壱.うおんたなの包装資材店が教えるレシピ編

<材料>
イカナゴ・・・1kg
★醤油(濃口)・・・170cc
★みりん・・・ 100cc
★酒・・・ 50cc
★ザラメ・・・ 250g~270g
★しょうが・・・3片(千切り)

①★の調味料を鍋に入れ、沸騰したらイカナゴ1kgを全部入れる。
【Point】イカナゴを入れたら鍋に手を突っ込んでくるくる渦を描くようにまぜ、中心にイカナゴが寄ってきたら手を引き上げる。鍋のへりについたイカナゴは木べらで真ん中に寄せる。
②再び沸騰したらクッキングペーパーかアルミホイルで落し蓋をし、 中火にして、 しばらく触らない!
③煮汁が少なくなってきたら中火にして鍋を2回返す。 また煮汁が少なくなってきたら弱火にして鍋をまた2回ほど返す。
【Point】焦がさないように十分気をつける。
④鍋をゆすって煮汁がなくなっている感じがしたら、ザルに上げてできあがり。

※しょうがの代わりに柚子の千切りを使うと上品な味になり美味。また、クルミを砕いたものを使うと香ばしく仕上がり、 お酒のつまみに最適です。使う量はお好みで適量でかまいません。

其の弐.うおんたなの喫茶店が教えるレシピ編

<材料>
イカナゴ ・・・2kg
★黄ザラメ ・・・500g
★濃口醤油 ・・・500cc
★みりん ・・・100cc
★しょうがみじん切り ・・・50g

①イカナゴは水洗いして水気を切る。
②★の調味料を鍋に入れ、沸騰させる。
③イカナゴを手ですくって少しずつ入れていく。。
【Point】熱く沸騰しているところへイカナゴを入れると 少ししたら泡が立ってイカナゴが見えなくなります。そうするとまた次のイカナゴを投入します。これを繰り返すことで、 仕上がりのイカナゴがダマにならず1つ1つきれいな釘煮になります。
④噴きこぼれるようでしたら火を調節して煮詰める。
⑤イカナゴと煮汁がひたひたになってきたら落し蓋をし、 汁が少なくなるまで触らずに見ておく。
⑥ 汁が少なくなってきたら途中でイカナゴを上げる。
【Point】煮きってしまわずに少し汁を残した段階で イカナゴを上げるのは、イカナゴをふんわりとさせるためです。
⑦白ゴマをふりかけてまぜて出来上がり。
※朝イチで店頭に並ぶイカナゴを使用することがおすすめ! 新鮮で透き通っているイカナゴを使った釘煮は絶品です。
※残った煮汁は鍋にとっておいて、塩出しした「くきわかめ」を入れて炊くととっても美味しいのでやってみてください!

其の参.うおんたなの鮮魚店が教えるレシピ編

<材料>
イカナゴ ・・・1kg
★濃口醤油 ・・・1合強
★ざらめ ・・・300g
みりん ・・・少々
土しょうが ・・・50g

①イカナゴはさっと水洗いして水気を切る。
【Point】さっと洗うこと。時間をかけると水を含んで仕上がりが水っぽくなる。
②★を鍋に入れ沸騰させ、イカナゴを少しずつ入れる。
③アルミホイルで落し蓋をし、約30分強火で煮詰める。
④土しょうがを入れ、弱火で10分煮詰める。
⑤最後にみりんを少々入れ、照りをつけて出来上がり。
※調味料にお酒やみりんは使いません。 みりんは最後の照りをよくするために少々使うだけです。
 お酒を入れるとイカナゴが柔らかくなりすぎたり、 イカナゴ同士がひっついてだんごになってしまいます。
 このレシピで釘煮をつくると誰でも綺麗に仕上がります!

其の参.うおんたなの鮮魚店が教えるレシピ編

<材料>
イカナゴ ・・・1kg
★ザラメ ・・・250g
★しょうゆ ・・・180cc
★みりん ・・・100cc
★酒 ・・・50cc
しょうが ・・・50g

①イカナゴは水で洗って水気をしっかり切る。
【Point】水気をしっかり切ることが大事。 大きめのザルに広げて冷蔵庫で30分休ませると良い。 水気が残っていると炊き上がりがビチャビチャになってしまいます。
②★の調味料を鍋に入れ、強火で煮立たせる。
③その中にイカナゴの3分の1を手で振り入れ、しょうが3分の1も入れる。
④しばらくしてまた煮立ってきたらイカナゴとしょうが3分の1を入れ、 残りの分も同様にする。
【Point】イカナゴのサイズが小さければ小さいほど 何回かに分けて入れてあげると良い。
⑤アルミ箔の真ん中に穴を開け、落し蓋をする。
⑥火は強火。途中、ハシでかき混ぜないこと!!
⑦汁が煮詰まってきたらナベをかえして 焦げ付かないように気を付けて仕上げる。
【Point】煮汁が少なくなってきたところで 水あめ大さじ1を入れると照りがでてツヤよく仕上がる。
※酒の代わりに赤ワイン50ccを入れるとコクがでて色よく仕上がります。
※鋳物などの厚みのある大きめの鍋で炊くのがオススメです。

● 編 集 後 記 ●

 春を告げるいかなごの季節がやってまいりました。道を歩いていてもそこかしこでくぎ煮を炊いている匂いが漂い始めましたね。作りたてのくぎ煮を白いご飯の上に乗せて食べるのは格別に美味しくこの地域でしか味わうことのできない贅沢な食べ方ですが美味しく感じる味覚の一つには作ってくれた人の気持ちがこもっているからではないでしょうか?私も一昨年前までは祖母が沢山作ってくれたタッパーに入ったくぎ煮を当たり前のようにいただいていました。昨年正月に祖母が他界し、くぎ煮を作ってくれる人がいなくなってしまってからこの季節がくると祖母の事を思い出します。
 昨年は初めて自分でくぎ煮にチャレンジしました。自分なりには初めてでもそこそこの出来栄えだと思いましたが祖母の作ってくれたくぎ煮にはまだまだほど遠い気がします。くぎ煮を炊いた事のない皆さん、この編集後記を書いている時には漁獲量や相場は分かりませんが値段が落ち着いた時を見計らって一度チャレンジしてみてください。きっとくぎ煮づくりのベテランの方々が誰かに食べてもらいたいって気持ちで炊いていることが分かりますよ。
 人を喜ばせたいって気持ちが繋がっていく「くぎ煮」がこれからも受け継がれていくことを願っています。

ミニコミ「うおんたな」編集担当 安原宏樹